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日別アーカイブ: 2025年11月17日

中村瓦のよもやま話~part27~

皆さんこんにちは!
株式会社中村瓦の更新担当の中西です!

 

さて今日は

中村瓦のよもやま話~part27~

~長寿命化のための維持技術~

 

 

 

瓦屋根は他の屋根材と比べ、圧倒的に寿命が長い。
だが、それは適切な施工と定期的な点検が前提である。


1. 瓦屋根の耐用年数

陶器瓦やいぶし瓦は、素材自体が100年以上持つ。
しかし、屋根全体としての耐用年数は、
防水シート・桟木・棟部材などの劣化スピードによって左右される。

一般的に、30年を過ぎた頃から点検・メンテナンスが必要となる。


2. 点検のポイント

  • 棟瓦のズレ・浮き
     地震や風によって発生しやすい。放置すれば雨漏りの原因。

  • 漆喰の剥がれ
     棟下やケラバの漆喰は、紫外線と熱で劣化する。早期補修が望ましい。

  • 瓦の割れ・欠け
     飛来物や踏み抜きによる破損。交換修理が基本。

  • ルーフィングの劣化
     目視ではわからないため、雨漏りやシミのサインが出た時点で専門調査を行う。


3. 長寿命化のための工夫

近年は、「屋根を守る屋根工事」が主流になっている。
具体的には以下の技術が挙げられる。

  • 防災瓦(ロック構造)

  • ステンレスビス固定

  • 通気構法(野地板の湿気を逃がす)

  • 乾式棟システム

これらを組み合わせることで、耐風・耐震・耐久のバランスを高められる。


4. 季節ごとの注意点

11月〜冬にかけては、夜露と昼間の温度差が大きく、
瓦下に結露が発生しやすい。
通気層を確保し、桟木間の空気の流れを維持することが大切である。


5. まとめ

瓦屋根は正しい施工とメンテナンスで100年持つ。
「放っておいても大丈夫」ではなく、「見守ることで長持ちする」屋根。
それを支えるのは、点検・補修・観察の積み重ねである。