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皆さんこんにちは!
株式会社中村瓦の更新担当の中西です!
さて今日は
瓦は“焼き物”ゆえに長寿命。ただし雨仕舞と下地が弱ければ、いくら良い瓦でも性能を出せません。点検ポイントは次の6つ。
棟(むね):のし瓦の段欠け・開き・ズレ、冠の浮き、漆喰の割れ。
平部:踏面のガタつき、割れ・欠け、吸水による白華。
谷部:落ち葉堆積・銅板腐食・立ち上がり不足。漏水の主犯になりがち。
軒先:鼻隠し腐朽、瓦の出寸法の過不足、樋金具の緩み。
下地:野地板の腐朽、垂木のねじれ、ルーフィングの風化。
通気:小屋裏の湿気、結露痕、断熱材の水染み。
→ 写真+位置記録(立面・平面に落とし込む)で“再現可能な診断”に。口頭説明だけはNGです。
部分補修:割れ・欠け・ズレなど局所不良。下地健全・雨仕舞良好なら最短最安。
葺き直し:瓦再用+下地更新。良質な既存瓦を活かしながら耐久性を回復。美観連続性も◎。
葺き替え:瓦・下地とも新設。軽量化や断熱・通気の刷新が目的ならこちら。
判断軸は**(1)屋根寿命の残り年数と(2)今後10~20年の住まい方**。終の棲家・貸家・売却予定などライフプランで最適解は変わります。
勾配と瓦種:J形・F形・S形で適正勾配が異なる。低勾配は防水層の重ね寸法と立ち上がりを増す。
谷板金:開き寸法、折り返し(ハゼ・水返し)を規定以上に。上流側の瓦切欠きを均一に。
棟仕様:のし段数・土台配合/乾式棟(通気棟)など。地域風速や地震係数に合わせて緊結ピッチを設計。
通気断熱:軒先吸気→棟排気の一方向通気。野地合板の上に通気垂木+遮熱ルーフィングも効果大。
雪国仕様:雪止め金具のピッチ、落雪配慮。樋強化と暖気漏れ対策で**氷柱(つらら)**を防止。
チェックすべきは数量根拠と仕様の具体性。
仮設:足場・養生ネット・昇降設備・荷揚げ費。
撤去処分:瓦・土・ルーフィング・樋の処分単価。
下地:野地板厚み(12mm/構造用合板等)、増し張り or 張替え。
防水:ルーフィング種類(改質アス・透湿・高耐久)と重ね幅。
瓦工:使用瓦の等級・緊結材の材質(ステン/銅)。
板金:谷・壁取り合い・雨押えの材質と形状。
諸経費:運搬・残材・近隣対応。
同じ「一式」でも中身がまるで違うことは珍しくありません。仕様書+展開図で透明化を。
足場→養生:近隣・植栽・ガラスを徹底養生。
撤去:瓦→土→ルーフィングの順。雨仕舞の痕跡を撮影して改善案へ。
下地:不陸調整、合板増し張り、必要箇所の根継ぎ。
防水:タッカー+ドブ釘、重ね・立ち上がり・貫通部補強。
瓦桟:通り墨・振れ止め、谷・棟の逃げ寸法を確保。
役物→平部→棟:軒先・ケラバ・袖・割付、最後に棟で締める。
板金・樋:取り合いの雨水テスト。
清掃・検査:散水、目視、ドローン。完成写真台帳を作成。
谷からの滲み:落葉・土砂堆積→定期清掃+ネット。谷板の水返し不足も見直し。
棟の開き:地震・強風。緊結ピッチ短縮・のし段数見直し・乾式棟化。
結露:断熱不足+通気不良。棟換気・気密強化・防湿層連続。
塩害:海沿いはステンレス・アルミ採用、点検周期短縮。
半年点検→年1回へ移行(梅雨前推奨)。
台風・地震後は臨時点検。
樋・谷の清掃、屋根上の置きっぱなし資材ゼロ運動。
保証:材料・施工・雨仕舞で条項を分け、温度管理の逸脱や外力例外を明文化。
課題:棟開き・谷腐食・小屋裏結露。
対策:棟乾式化+通気棟、谷板金二重化、野地増し張り+遮熱ルーフィング。
結果:雨音静粛、夏の小屋裏温度▲4℃、点検性向上。
費用感:葺き替え比で8~15%圧縮(瓦再用効果)。
瓦屋根は設計×職人技×習慣で寿命が決まります。診断を“見える化”し、仕様を“言語化”し、施工を“型化”。この三つを揃えれば、美しく・強く・長く住まいを守れます。ご相談は**写真3点(全景・棟・谷)**を添えてどうぞ。